８２歳といったら、まったりー、ふんわりー、というイメージでした。
が、彼女は違った。
想像以上に肉食系女子のはしりだったかと思われます。

ざっと練習している人を見渡し、
「あの人、あの人があなたにぴったり。」
とリーダー（ダンスの固定パートナー）不在の私に見繕うやいなや、
一緒に踊っている姿に、大声援。
「ぴったり！きれいよ！」「完璧、くみたろうさんにあっているわ！」


い、いや、まって、この方のパートナーさん、そこにいるし。
こちら、プロだし。
ほら、先方も困ってる。

でも、彼女は私を大事にしてくださるあまり、
もはや周りが見えていないような。

私、そーーーーーーっと小声でお伝えしました。
「Aさん、たぶんBさんのリーダーさんですから。」

８２歳、きりっと即答。
「知ってるよ。だから？なに？とっちゃいなさい！」

わわわわわわ。

「この世界は競争よ。そもそも、あなたのほうがAさんにあってるじゃない。Aさんじゃ物足りないのはわかってるけれど、見た目はばっちりよ。あとはAさんがもう少しがんばればいい！」



わわわわ。
Aさん、お上手だと思うけど。

以降も、８２歳の全力サポートは続きました。
踊っていると「Aさん、がんばって！！」とAさんにエール。
プロの沽券にかかわりますよね、と、私、焦る。
「おれが頑張るの！？！？！」と目を白黒。
「あ、す、すみません。どうも私のことをかわいがってくださるあまり、みたいで！！！」

なぜか私が冷や汗。

でも、本当にうれしいことです。
そこまで、私を全肯定し、絶賛してくださったファンは、いないなぁ。
踊るたんびに拝んでくださり
「いいものをみたわ。素敵だったわ」とコメントしてくださるなんて。
しまいには周囲のプロやオーナーに
「くみたろうさんをぜひここのレギュラーにして」と
お願いしてくださるくらい。

うわー。
















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kumitaroh 　 2021-07-11 00:57:55 提供：株式会社W-ENDLESS