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百人一首(2)清少納言



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藤原定家が撰した百人一首、女流歌人は21人である。
内訳は、天皇1名、内親王1名、女房17名、公卿の母2名である。
女房とは、今の時代の妻を表すものでなく、貴族社会において皇族などに仕える部屋付きの女性のことを呼ぶ。
ただ、炊事洗濯などの雑用は一切しない、今の世で言えば、省庁に入って大臣などの世話をする秘書なのかも知れない。
百人一首などに出てくる女性は、おそらく有閑マダム的な特権階級であったのだろう。
私は、その一人であった清少納言が好きでたまらない。

彼女の随筆「枕草子」は、1000年以上経った今でも彼女の息遣いが聞こえてくるほどである。

私が平安時代に生きていたとするなら、街を歩くなら小野小町、付き合うなら清少納言、妻にするなら赤染衛門、浮気をするなら和泉式部、そして老後は伊勢と歌を詠みながらにしたいと思う。

付き合うなら清少納言、それは何より鼻っ柱が強い。そこが清少納言の魅力なのである。

百人一首の中で、定家は清少納言の歌
「夜をこめて 鳥のそら 音ははかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ」
を選んだ。
私はどうしてこの歌を百人一首に定家が撰んだのか、わかる気がする。

この歌は、司馬遷の「史記」の中にある孟嘗君の故事からの応用である。
この故事を知らないものが読んだら、おそらく意味がよくわからない歌なのである。
私も「史記」を読むまでは、表面、そしてこの歌の持つ清少納言の一流さがわからなかった。

当時、漢詩を女性が読んだり書いたりすることは珍しく、清少納言や紫式部はそれが出来ていた。
そのことが、定家の目に留まったのかも知れない。
そしてそれは、定家自身の漢詩の造詣を誇示するために故意に撰んでの自信の表れだったのかもしれない。
あの世で定家に会うことができれば、是非に聞いてみたいと思う。


私が撰者であれば、
「もとめても かかる蓮の 露をおきて 憂き世にまたは かへるものかは」
と「枕草子」にもあるようなものを安易に撰んだかもしれない。

「故事談」、鎌倉時代の初期の説話集に清少納言がでてくる。
「故事談」、どこまで本当のことが言い伝えとなって書かれているのか疑問であるが、かなりおもしろい逸話説話集である。

その中で、晩年の彼女は、荒れ果てた屋敷に住み、昔の面影もなかったらしい。
ある日、天上人の行列で清少納言の屋敷の前を通ったときに、その天上人は「少納言は無下(むげ)にこそ成りにけれ」と言った。
無下とは、みすぼらしく落ちぶれたことを言う。
彼女はそれを聞き漏らさず、その言葉に「駿馬の骨をば買はずやありし」と返した。

これも中国の戦国策の逸話から来ている。
「主人に千金の駿馬を求めて出掛けたものが、死馬の骨を五百金で買ってきた。主人は死馬を買ってきたことに怒り心頭である。」が、その死馬を買った郭隗は平然と「駿馬を求めて、死馬でさえ五百金で買おうとする者の許には生きた駿馬が多く集まってくるだろう。」と答えた。
結果は、郭隗の言うとおりに。

どんなに落ちぶれようと、清少納言は清少納言であってほしい。
何よりも自分自身を買って、自分自身を愛した清少納言、あっぱれである。

剃髪をし、出家したところまでわかっているらしいが、没年は不明である。
だったら清少納言は、まだ生きているのかもしれないと、そんな妄想戯言もまた楽しいものである。


次回は、良妻賢母と言われる赤染衛門とその百人一首に触れてみようと思う。


「殿方に 負けたくないと 意地だけの 清少納言の 息遣いを聞く」

「己(おのれ)才 自分に溺れる 少納言 零落であろうと 我ここにいる」

 


おいおい^^和歌
「清ちゃんと 平安京の 夜を過ごす 枕の相思で 朝までイチャイチャ^^」(おいおい^^)!!

 




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