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【扶桑社】『珍獣の医学』 田向 健一 著

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「珍獣の医学」――21世紀の動物のお医者さん――

「珍獣」って……カエルも入るんですか? 







と、いきなりツッコミ入れたくなるようなカバー写真(水温計を飲み込んだ

バジェットガエルのレントゲン)ですが、カエルも立派な患畜です。





その証拠に中にもちゃんと写真が! (ほとんどホラーだよ……)





カエル君達、よかったね! ちゃんと面倒を見て貰える先生に出会えて! これが本当の命拾いだよ。





その他にも珍しい症例(?)の患畜がこれこの通り!





帯の写真だけでこれだけいるのですから、田向先生に命を救って貰った患畜は一体どれだけいるのやら。彼らはペットとしては本当に幸運だった数少ない存在だと思います。田向先生に診て貰う以前に、まず動物病院に連れて行って命を助けて貰おうとする飼い主に飼って貰ったことで。



そうなんです、ペットが動物病院に命を預けることができるということは、とりもなおさず飼い主の彼らに対する愛情の深さと責任感の強さを示していることなんですね。



昔は飼育している動物といえば家畜がほとんどで、ペットといえば精々が犬と猫。それも犬は番犬、猫はねずみ取りという具合に一応役割が与えられていて、現在のようにペットとして愛玩されるだけのものは少なかったと思います。



そのせいか現在でも大学の獣医学部で教えているのは馬や牛や豚といった産業動物が中心で、ペットとしては犬と猫がメインだそうで、それ以外のペットは十把ひとからげに「エキゾチックペット」と呼ばれて「珍獣」扱いされるんだそうです。「獣」という言葉が「 全身

に毛が生え、4足で歩く哺乳動物。けもの。」であるという意味を全く無視しているあたり、さすが理系というか何というか。ま、それはここでは関係ないんでこれ以上追求しませんが。



というわけで、両生類であるカエルも爬虫類であるヘビ・カメ・トカゲ・イグアナも、ここでは立派な「珍獣」であり「患畜」なのです。それ以前に飼い主にとっては大事な大事なペットであるわけで、その気持ちの向かう先が犬か猫か蛙か蜥蜴かで区別というか差別してはいけないわけなんですよ。その対象がなんであれ、人間にとっては何か(誰か)を愛することが必要なんだなと思い、その受け皿となってくれてるペットの存在には感謝しなければいけないんだなと、本書を読んで思った次第です。



もちろん飼い主は千差万別で、ペットを我が子のように愛する人ばかりではありません。愛というのはわがままなものでもあるわけで、そのわがままをぶつけられて翻弄されるペットもたくさんいます。飼い主の意向で安楽死という名目で殺処分されるペットもいて、そのことでは飼い主ではなくて田向先生の方が苦しんでいたりします。



以前住んでた所でおつきあいのあった家ではお子様に請われたとかでハムスターを飼っていたんですが、引っ越す際には連れて行けないからその時は安楽死させることをまず約束させた、ペットを飼ったら最後まで責任を果たさせるのが親の努めだとそこの奥様が自慢げに語っているのを聞いて、「何か違うような気がするけれど何が違うのが分からない」とずっとモヤモヤしていたんですが、その理由がようやく分かったような気がします。



例え殺処分を安楽死と言い換えたところで、動物を殺すという行為はその動物を愛している者にとってはひどくつらい経験であるわけで、そんな経験を親が子どもに強要すべきではないということなんですね。引っ越す時に連れて行けないことがわかっているなら、子どもに安楽死の必要を説いて聞かせるよりも飼えないことをこんこんと諭して納得させるべきだった。



幸いそのハムスターは貰い手がついたみたいで、そこのお子様は愛するペットを我が手にかけるという非道な行為からは免れたみたいですけれど、まあ最初から天寿を全うさせるつもりのないままペットを飼おうというお子様なら、案外平気でハムちゃん殺せたかもしれないです。その辺はホント、誰にも分かりません。



現代の日本ではペットといえど消費されるものです。食肉用の動物たちと同様、命に重きはおかれていません。



その命を大切に思うかどうかはその人次第。飼い主の愛情次第なのです。



そういう飼い主達の最後の駆け込み寺として田向先生の病院はある。どんな患畜に対しても分け隔てなく助けようという強い意志を先生は持っている。思いがあれば道は拓けるのだと、そんな読後感を得られるのが本書です。





『珍獣の医学』 田向 健一 著





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