結婚式を挙げた理由。


深くは考えたことがなかったけれど、
やっぱり親の、特にお父さんのためだと思う。


『結婚』願望は強かったけれど、
『結婚式』願望は特になかった。


だけど、ジャイ様も結婚式は挙げたいと言っていたし、
そのためにちゃんと貯金もしてくれてた。


ジャイ様は資格取得のために再度学校に通ったりして、
社会人デビューがかなり遅く、
YUKIとお付き合いしてる時が社会人１年生だった。


だけど、そんな彼がちゃんと式用のお金を貯めてたのが
嬉しかったなぁ。



お父さんはYUKIが早く結婚することを願ってて、
両家顔あわせの前日に実家に帰ったら
冠婚葬祭の本を買ってて、結婚関係の内容に
赤ペンで線を引いたり、囲っていたりしていて
結婚式を楽しみにしてくれてるのがわかった。



だから、その本の赤ペンから推測して、
お父さんの希望する結婚式になるように進めたんだよね。



ジャイ様もお父さんの病気を心配してくれてたから協力的で、
駅からアクセスが良くて、ホテルで、大安でって
諸々の条件をクリアする式場をびっくりするぐらい速攻で決定した。
顔合わせがあった、その数時間後に決定するんだもん。
ちょっと早すぎてブライダルフェアーを回ったりできなかったことに
YUKIが腹を立てたぐらい。



お父さんに電話で報告したら、
特に喜ぶ感じでもなかったので拍子抜けした。
あれ？って感じだった。




だけど、その後、お父さんが容態が急変して、
結婚式に参加できないことがわかった。
その頃まで命が持たないって主治医に宣告された。




顔合わせもすごく体がしんどい状況の中で
来てくれてたことを全く気づかない自分が情けなかったし、
あれだけ楽しみにしてくれてたのに
結婚式を見せてあげられないことが悲しかった。




お父さんは最後の最後まで結婚式のことを気にかけてくれてた。
声を出すのもしんどい状況で、病院に集まった親戚一同に
結婚報告をしてくれて、私の結婚がうまくいくようにしてくれた。




顔合わせからちょうど１ヶ月ぐらいでお父さんが亡くなった。




顔合わせの直前、家族内で揉めていて、
お父さんが顔合わせに出たくないとまで言っていた。
なんとか和解したけれど、気がとがめていた私は
『顔合わの時期を延ばそう。』と提案していた。
だけど、お父さんが『時期を延ばさずに実行しよう。』と言ってきて
驚いてたんだけど、本当は複雑な心境だけど
自分の命が短いことを覚悟していたのかもしれない。




最初、式場の報告をしたときには
そんなに浮かないよう思えたけれど、
電話の横にはお父さんの直筆で
式場の名前や日取りが書き込まれたメモがあって、
やっぱり楽しみにしてくれてたんだと改めて思った。



メモは捨てられないから、仏壇の引き出しにしまってる。



これだけ色々あったけれど、結婚式の準備では
散々ジャイ様ともめた。
本当に離婚するんじゃないか？ってぐらいもめた。



でも、そんな時にお父さんが
『どんなカップルでも結婚式の話はもめるんだ。』
と言ってたことを思い出しつつ準備に励んだ。



当日、プレンナーさんからアドバイスをもらって、
ブライダルインナーの胸元にお父さんの写真を忍ばせておいた。



直接見せてあげることは出来なかったけれど、
お父さんが喜んでいてくれてたら嬉しいな。





YUKIは結婚式の数ヶ月前に入籍を済ませていたけれど、
入籍が祝日だったこともあり、あっさり手続きが終了して
なんだかずっと結婚した感覚がなかった。




だけど、結婚式を挙げて、色んな人に祝福され、
ようやく『結婚した。夫婦になった。』というものが
じわじわこみ上げてきた。




プランナーさんが不況のため結婚式を挙げる人が減っている、と
言っていたけれど、ささやかでも結婚式は挙げた方がいいと
結婚を考えている人には伝えてあげたい。




親のため、自分のため、自分達の気持ちの区切りのため。




今日は結婚式から３ヶ月目。



ジャイ様と喜びをわかちあいたいと思います。



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ＹＵＫＩ 　 2009-07-04 13:39:45 提供：グローヴエンターテイメント株式会社