本当に「疲労対策に効果がある」医薬品や食品を開発すべく、「健康予防医療産業振興プロジェクト」を推進する大阪市、大阪市立大学などの5大学、大手食品メーカーや医薬品メーカーなど計18社でスタートしました。
このプロジェクトによって、バイオマーカーを見つけることで疲労の数値化・定量化を実現し、最終的に本当に有用性がある医薬やトクホの開発を目指しています。
まず、皆さまが考える疲労とはどういったものでしょうか?
肩こりや腰痛、頭痛や眠気などの身体的な疲れだけでなく、イライラやヤル気のなさなど精神的な疲れをイメージされたのではないでしょうか。
身体的な疲れと精神的な疲れはまったく別だと考えられる方も多いと思いますが、本当に果たしてそうなのでしょうか……。
身体的な疲れと精神的な疲れ、実はどちらも活性酸素により傷つけられた細胞が「パフォーマンスが低下しているよ」と脳にシグナルを伝えている状態なのです。つまり、どちらも同じ“疲労”。発熱や痛みと同じく3大生体アラームの一つと言われる“疲労”は、細胞から脳への危険信号といってもいいかもしれません。
疲労とは「細胞がさびた状態」。筋肉や脳の細胞が酸素を消費する際に活性酸素が発生し、エネルギーを作り出せない状況になるのです。さらには、細胞自体がさびて、機能低下を招き、そのダメージの情報が脳の中にある拾う中枢に伝えられて、私たちは「疲れたな」と自覚するのです。体をさびつかせるこの「悪玉酸素」の発生を抑えれば、疲労しにくくなるとともに疲れからの回復も早まります。
現在、『抗疲労』という概念(疲労からの復帰を早める「疲労回復」と疲労しにくい状態を作る「疲労予防」の双方向から、疲労に打ち克つこと)のもと、さまざまな食品や製品が開発されています。
中でも注目されているのは、食品による『抗疲労』。食生活や食習慣を利用したこのアプローチは手軽にかつ、簡単に行える『抗疲労』として最も最適だと考えられます。
『抗疲労成分』の研究では、まず『抗疲労』効果があるとイメージされる食品成分を23種ピックアップ。 それから綿密な研究を重ねることで、『抗疲労』効果が確認できる6種の成分を発見しました。
その結果、6種の成分の大半に「抗酸化」作用があることがわかりました。
なかでも骨格筋への移行が多く、筋組織において強い抗酸化作用を示し、抗疲労効果が顕著に現れた成分が鶏肉抽出成分「イミダペプチド」だったのです。
アラスカ西部の北極圏で繁殖するオオソリハシシギ。寒い時期になると、オーストラリアやニュージーランドなどに渡り冬を越します。アラスカからニュージーランドまでの距離は、約1万1千キロ!広い太平洋を飛ぶ間、無着陸で休むことなく飛んでいきます。その類まれなるスタミナの秘密はどこにあるのでしょうか?研究を進めている中で明らかになった成分が彼らの胸肉に含まれる「イミダペプチド」成分です。
どんな有用な物質も経口摂取で効果が出るとも限りません。生理効果がきちんと認められた物質でも、ヒトが経口摂取した場合、効果を発揮しないものも多数あります。その点、イミダペプチド成分は、消化吸収の過程で2つのアミノ酸に分解され、体の中で再び合成されるという特徴があります。ヒトでは筋肉や脳細胞など、消耗の激しい部位に、イミダペプチド合成酵素が豊富にあるので、酸素消費が多く発生する部位において、ピンポイントでイミダペプチドが再合成され、効果を発揮します。これが、他の抗酸化食品と比べて、イミダペプチドの抗酸化作用が優れている理由なのです。
現在、抗疲労に関する研究をしている大阪市立大学の研究チームの実験の結果、『イミダペプチド』成分には抗疲労効果があることが発表されました。
その内容は、『イミダペプチド』成分を4週間毎日摂取した後、4時間の自転車こぎ運動を行い、日常生活で起こる肉体疲労の負荷をかけるというもの。
一方は、『イミダペプチド』成分を摂取した人(グラフの赤)、一方は味やカロリーは同じでも『イミダペプチド』成分が入っていないものを摂取した人(グラフのピンク)です。それぞれを比較すると、なんと実験終了直後の疲労感において、『イミダペプチド』成分を摂取していない人は、した人の約1.5倍、さらに実験終了4時間後は約2倍もの差があります。
このことから、『イミダペプチド』成分には、疲労予防をする力だけでなく、疲労回復力を高める力があると考えられます。
投稿日時:2018/04/25 : HAPPY LIFE☆ 健康*美容オタク 提供:日本予防医薬株式会社