実家のボロ文化住宅（2Ｋ）に親子４人で暮らしていた頃。



すでに社会人として働いていて、立派にこの家の生活費を母と二人で切り盛りしていた。
（ダメ父は、役立たずの穀つぶし・・今も尚・・・）



当時は手取り１５万くらいだったけど、そのうちの８万を家に入れていた。
当時の私に知恵と知識があれば・・・。ほんと、後悔してもし切れないぐらい・・・。
この分を貯金し、家を購入する計画を立ててたなら、家族みんなが幸せになれたのかも・・。



とにかく、寝ても冷めても、'''金に追われながら'''生活してたと思う。



高1の時に初めてバイトをし、それからずっと、生活費やお小遣いを稼いできた。
成人式の時も、振袖の夢を捨て、朝から晩まで、正にバイトに明け暮れていた。（楽しかったし♪）




そして、振袖の夢も完全にとまでは言わないが、忘れていたある時、母が急に



'''買い物に行こう！'''（夕飯の買い物）と言い出した。
直感で、なんだかすごくイヤな気分がしたので、



『だるいから、やめとく。』と切り返したのだけど、しつこく誘ってきたので、仕方なくついて行った。




予感はドンピシャ。いつも行くスーパーの横にある呉服屋さんに引っ張り込まれた。
そして、抵抗するまもなく、採寸。



'''着物をプレゼント'''しようとしてくれていた母・・。



今まで、母に対して感じたことのない、'''憎悪'''がこみ上げてきた。




普通は喜ぶんだろうと思う。その時、素直に喜べない自分にも、それ以上の'''憎悪'''がこみあげた。




母は、初出に振袖を着せて職場に送り出したかったらしい。（既に一度、初出は経験しているので、何で今更？？？なんだけど。）
だから、なけなしの１０万をはたいて、近所の小さな呉服屋で、着物を仕立てようとしてくれた。





ほんとに、子供だった。自分の愚かさに、ただただ呆れる・・・。
どんなに、辛い思いだったのか、どれだけ、頑張ってくれたのか、今ならわかるのに・・・。




私は、一般に呼ばれているＯＬではない。手に職をつけた技術者だ！
（と、当時は思っていた。技術なんて全く身に付いてませんが・・・トホホ）



職場では体力仕事もするし、床を這ったり、動き回らなくてはいけない（新人だったし・・）、
正月明けでも工場からの要請があれば、機械を動かさないといけない仕事。
したがって、スーツ姿ですら、動きづらい仕事をしている。



それを、'''着物でチャラチャラ（バブルかよ！！）してても平気な仕事をしている'''
と思われている事が許せなかったし、悲しかった。
（母が好きだったから、わかってくれない事がいやだったんだろうなぁ。）



そして、毎月ガマンして節制しているお小遣い。
家が貧乏なのがわかってるから、ガマンして、給料の半分を入れていた。
買いたいものも、行きたいライブのお誘いもガマンして、
『ゴメン、その日予定があるから・・・』と、切り抜けてきた。なのに・・・なんで？



'''１０万あれば、家族の食費何か月分よ！！'''
'''それだけあれば、牛肉食べれるやろが！！'''
'''こんな時に、なんで、着る当ても無い着物を無駄遣いするねん！！'''
'''私が今までどんだけ、ガマンしてきたと思うねん！！！！！'''




！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！



と色んな思いが重なって、怒りが爆発。
その日以来、母と口を利くことが無くなってしまった。（今はもう、全然大丈夫♪）




書いてて情けないし、ほんと呆れ果てるんだけど、ほんとに許せなかった。
朝から晩まで、ダメ父に代わり本当によく働く母。我が家にとっては￥100ですら、貴重なお金。
それを、私の為に使わせてしまったのが・・・・。
嬉しい。嬉しいし、有難い。嬉しくてたまらないのに・・・



愛情が裏返ってしまって、憎しみに変わってしまった・・・





その日以来、母の作る晩御飯を食べなくなった。
仕事から帰って来て、'''美味そう！！'''と思っても、たった二間しかない奥の部屋の襖を
ピシャリと閉めて、帰りにスーパーで買ってきたスナック菓子を食べる毎日・・・。



案の定、体に異変が起きだした。



'''じんましん'''が出るようになった。それも、体がぬくもる時だけ現れる。



お風呂で暖まったら、じんましんが出て、痒いからかくと、それが今度は繋がって大きな塊になり、
全身水ぶくれ・・・な感じになる。寝ている時もそう。朝布団から起き出すと顔以外の全身に
水ぶくれが現れている・・・。
でも、寒かったり、温まらなかったたら、出ない・・・。なんで？
医者は嫌いだけど、心の底からイヤだけど・・・・。しょうがない・・・。



会社の近所にある病院へ仕事帰りに寄ってみた。そこは、'''医学博士'''の称号を持っている
おじいちゃん先生が開業している病院。会社の健康診断もそこでやっているので、
中身というか、雰囲気はわかる。看護婦とか、なんか'''いけすかん'''けど、受診した。



寒いと、症状が出ないことや、細かい事を説明したにもかかわらず、



『じんましん、今は出てないんでしょ？出ないとわからない！！』



・・・・・。はぁ？と顔が歪んだが、相手はヨボヨボじじぃだし、大人な態度で、



『でも、今は温もる状態ではないでしょ？だから出てないだけです。何なんでしょうね？』



と、声をあらげす、抑えて抑えて、とっても、レイディーな感じで丁寧に尋ねたら、



自分で考えろ！！




・・・・・・・・。
医学博士やねんて〜。こんなんで、お偉い先生呼ばわりされるねんて〜。日本の医療現場は
この時点から、ガタガタやね〜。



~凸(-~~- ) 凸( -~~-)　FUCK YOU ！



更に医者嫌いになった瞬間だった。




恐らくストレスだろうと、うすうす感じていたのだが、家の近所の内科は高校生の頃に
（結果的に）たらいまわしにさせられた嫌な経験があるので、行きたくない。
だったら、皮膚科って手はどうだ！！と思い、早速ＧＯ！！



『ストレスやね。薬出しとくから、飲んでも治らなかったらまた来て下さい。』
と医者の発言を頂いた。ありがたい。普通に仕事してくれている医者の言葉の
なんと有難いことか・・・。（当たりまえやねんけど）



３日も飲めばすっかり治っていた。




世の中には、こんなへぼ医者がいるのよね。



病院を元気にするプロジェクト「ことばのギャップを埋めよう」



というのがある。私の聞いたあの'''自分で考えろ！！'''は医者と患者の立場の違いからくる
言葉のギャップだったのだろうか・・・。



それとも、私が母に抱いた'''愛情の裏返し'''と同じ思いなんだろうか、



自分で気づいて、自分で解決するのよ！！と言うおいぼれじじぃ・・・じゃなかった、
医学博士のお偉いお先生の、有難い説法、いや、最新治療法だったのかもしれん・・・



・・・・。



あんな医者にお金を払ったなんて、考えただけでもおぞましい・・・。
あんな人間がいるから、まともに働いてるお医者さんが、大変な事になってるんじゃないのか！！



医者は嫌いだけど、この先、私の人生に医者がいないと、生きてはいけない。おそらく。
だから、こういうプロジェクトは、大賛成。




あ、そうそう、勘違いした言葉。



'''セイチョウザイ'''



成長剤なんだと思った。身長が伸びる！！ワーイワーイ♪と喜んだけど、
整腸剤。なんよね・・・。身長が伸びる魔法の薬。あるわけないのに・・・。
胃痛で、診てもらった際に出された薬。冷静に考えればわかるのに、病院の前で、



'''これで、背が伸びたら、太ってるようには見えなくなる♪ウフ'''



なんて、恥ずかしい発言・・・。母にだけしか聞かれなくて良かった・・・。





あ、ちなみに、例の着物。従姉妹の結婚式で無事役目をはたしてくれました。
母と笑顔のツーショットが、なんとも、お恥ずかしい・・・。










病院を元気にするプロジェクト「ことばのギャップを埋めよう」

パタリロ 　 2008-11-28 18:26:13 提供：株式会社メディエイド