こたちゃんさんのプロフィール

夏から秋になるこの季節 何故か　亡くなったおばあちゃんを思い出す もう何年になるのかな？ あの時も暑い夏だった 恋に夢中で盲目になっていた頃 母とぶつかったまま 私は家を飛び出して 半分家出のような形になって暮らしてた そんな時、おばあちゃんが入院したという知らせを おばさんから聞いた すぐにでも行きたかったけれど、母との確執の手前 何だか家には寄り付き難かった 暑い夏の日、直接病院にまで足を伸ばしてみた おばあちゃんは、それはそれは喜んでくれて 母と合いたくない私を擁護するように 「今日はお母さんは午後からしか来ないからね」とか 「お前が来た事言ってないから安心しなさいね」 とか、まるで秘密を楽しんでるかのようだった そんなことを言う時のおばあちゃんの目は、 子供のように無邪気で、ナイショって言う感じで 私に向かってウインクなどして見せた 夏の間中、私は何かに付け病室に足繁く通った それはお見舞いは勿論だったけれど、 私の悩みを「うんうん」と聞いてくれるおばあちゃんのところが すごく居心地が良かったからだった 悩みがあるたびに 私は重いスイカなんかを近所で買っては 病室の皆さんにも配って 時には何時間も病院の部屋で過ごした いつの間にかおばあちゃんとの他愛もない約束 母へナイショのこの密会？は 周知の事実となっていたのだが、 秋になるまで二人して、この秘密を楽しんでいた 秋が深くなって間もなく冬の便りが聞こえる頃 おばあちゃんは帰らぬ人となった 思えば、周囲から疎まれたまま入院したおばあちゃんだった 父は、末っ子の母がおばあちゃんの面倒を見ることをあまり快く思ってなかったし、 お婆ちゃんを呼んだ母も 居心地が悪そうだった いつも小さなちゃぶ台の前にちょこんと座って ご飯を食べていた いつも小奇麗な　髪飾りを身に着けて 礼儀正しく正座して隅っこに座っていた そんなおばあちゃんの姿しか思い出に残っていない 入院するまであんなに親密に話をする事などなかった 神様がちゃんと向き合う時間を与えてくれたのだろうか？ でも、 ちゃんとお別れもしないまま おばあちゃんは　逝ってしまった きれいな人だった 若い頃はきっと相当な美人だったに違いない 上品な人だった どうして、あんなに肩身の狭い思いをしなければならなかったのだろう？ もっと最初から優しくすれば良かった でもあの夏の病院での交流は、 きっとだれも知らない おばあちゃんと私だけの秘密の時間 例えバレてても、私はそう思う 今はあのときの母が、すっかりおばあちゃん 相変わらず、人の面倒ばっかり見ている 『尽くすために生まれてきたのね』と 明るく笑って話す いつも元気な母 今は再婚して違う所にすんでいるから、 ゆっくり話す機会もすっかりとなくなってしまった母 今年のお盆にも結局挨拶には顔を出さずじまいに終った この前当選して届いた『おがわ』の和菓子のせいだろうか？ こんな上出来な御菓子でお茶でも飲みながら 静かに亡くなったおばあちゃんお話でもして、 ゆっくりと　二人で時間を過ごしたいなってふと思った 母だって このまま、どんどんおばあちゃんになってゆくんだろうけど 私だってどんどん歳を取ってゆくんだろうけど 母と私女同士おばあちゃんも女同士 お菓子、好きだったよねみんな めっきり老けた母 だけど、いつまでも元気でいて欲しい 敬老の日のお土産なんていったら くすぐったがるかな きっと照れて笑うだろういや、怒るかも知れない でも、 いつまでも元気でいてほしいから、 いつまでも元気でいてくれるから 私も頑張れるんだよ若いつもりで張り切りすぎちゃ駄目だよ そんなことを縁側とかで　さりげなく話したい この季節 何となく切ない思い出と一緒に 何だか、ふと思い出したおばあちゃんとの思い出 おばあちゃんも好きだった 和菓子 遺伝なのかな？って思うとちょっと 嬉しい おがわのどら焼きといっしょに贈りたい敬老の日メッセージ大募集！ 続きを見る ['close']