世界に見る「びっくり図書館」
[2010-06-29 00:45:31][
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マーグリートルアーズ=著 斉藤 規=訳 さえら書房 図書館ラクダがやってくる 子どもたちに本をとどける世界の活動移動図書館って、知っていますか?建物の中にたくさんの本がある図書館を当たり前と思っている私達ここは誰もが平等に知識と文化を授かることのできるすばらしい場所ですところが、あって当たり前の図書館も、世界各地では、随分事情が違うことがこの本からよく分かりますまた世界中のめずらしい移動図書館と、図書館員の活動風景をおさめたおもしろい本です 【本書覗き見】 モンゴルモンゴルはアジア北東に位置し、世界史でチンギスハーンがモンゴル帝国を築いたことで有名広い草原を遊牧民が移動式住居ゲル(パオ)をもって移動しますゴビ砂漠の遊牧民の子供たちのためにミニバスの移動図書館がやってきますその活動を本のキャンディというそうです本を読む前に子供たちにキャンディが配られるからです図書館員が子供たちに聞きます本とキャンディどっちが甘い?子供たちはいつも答えます「本です!」本の中の主人公が私の心をあたためてくれるから※多くは、日本から寄贈されたものですモンゴルの有名な児童文学作家のダシドンドクさんは、モンゴル語に訳した文を貼り付けた日本の本を、ミニバスで僻地に住む子どもたちに届けていますケニアケニアはアフリカ東部にある国です日本では野生の王国というイメージが強いですが、乾燥地帯の地域もあり砂漠に住む子供たちに本を届けるのは、なんとラクダ車も走れない砂漠地帯では、ラクダが経済的にも一番な輸送手段だそうです遊牧民の子供たちに本を届けるため、ラクダ一頭で重さ200キロ、500冊の本を運ぶことができますラクダさん、すごいね! 作家で教育者のマーグリートルアーズは、世界中の図書館員に手紙を出し、各地の図書館の話を聞かせてほしいとたのみました多くの図書館員やボランティアの人たちは、自らカメラをかまえ、彼らの移動図書館や本を受け取る子どもたちのうれしそうな笑顔を写真におさめて送ってくれましたそれらの報告をまとめたのが、わたしたちをあたたかい気持ちにさせてくれるこの写真絵本ですこの絵本はまた、本とその読者、そして図書館員たちにささげる賛辞でもあります彼らはなぜたいへんな苦労をして、本を箱につめてゾウの背中に乗せたり、バスで何百キロも旅して本をとどけたりするのでしょうか?その答えは、アゼルバイジャンのひとりの図書館員の言葉の中にあります「移動図書館は、空気や水と同じくらい大切なものなのです」皆さんは、自分の図書館を当たり前のものと思っているかもしれませんわたしも以前はそうでしたでも今度本を借りるとき、こんなにたくさんの本の中から好きなだけ選んで、無料で家に持ち帰れる皆さんは、いかに恵まれているかということを考えてみてくださいラクダやゾウや船で本を届ける図書館員やボランティアの人たちから、わたしは元気をもらいましたみなさんもこの本を読んで、元気づけられることを願います(作者マーグリートさんの言葉)この本には、13カ国の様々な移動図書館が紹介されています識字率の低い国の子どもたちは、実によく勉強をしますこの移動図書館も首を長くして、今か今かと待ちわび、いよいよ手にした本を喜んでむさぼるように読む姿が描かれていますその姿も素晴らしいのですが、「移動図書館は、空気や水と同じくらい大切なものなのです」という信念に基づいた魂からの活動には感動を覚えると共に頭が下がりましたこんなにも不自由な国の子どもたちの笑顔のために誠心誠意行われている魂の活動を賛辞せずにはいられません凄い本日も拙いブログに起こしいただきましてありがとうございました またね
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