「プライド」舞台稽古レポート
[2010-12-01 00:13:45][
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「シアタークリエ12月公演舞台 一条ゆかり原作『プライド』舞台稽古レポーター募集」に当選し、昨日、本番通りの流れのゲネプロを見学させていただきました以下、歌われる曲名などはネタばれを避けつつレポートします原作をまだ読んでいない方は、読まずに観た方が良いかも?人間関係など細かい設定が変わっているし、原作を知っていると省略されている部分がどうしても気になります舞台のオリジナルストーリーとして、余計なことを考えない方がすんなり入って行けそうな気がしましたすでに読んでしまった人は、とばされたエピソードを補完しながら潔く違いを楽しみましょう!あのゴージャスな世界をどのように4人芝居にしているのかと思っていましたが、違和感なく展開していくのは脚本の力ですね観客もオペラコンクールの来場者気分や、高級クラブ「プリマドンナ」の客になった気分を味わえますただ、12巻もある原作を3時間弱に詰め込んでいるので(しかも、半分近くは歌)、ダイジェスト版的な印象は否めませんそれでも新妻聖子ちゃん演じる萌の方は生い立ちや、留学先ミラノでの苦労も台詞で表され、愛された経験がないために歪んでいた女の子が愛することを知って初めて幸福を感じるという流れがあるので理解しやすいです(原作の萌の計算高さや毒は、かなり薄められています)笹本玲奈ちゃん演じる史緒の方は心の動き(特に恋心)があまり表現されていないので、展開や台詞が唐突と感じるところがしばしば原作では誇り高く世間知らずだけれど不器用で可愛いところがあるのに、その点が描かれず空気の読めないお嬢様に見えて残念でしたただ、立ち姿が美しく、気品は十分台詞でなく立ち居振る舞いや歌で、品格や誇り、内面の成長を表す難しい役ですが、これから本番を重ねることで脚本に描かれていないところを埋めてくれるのではないかと期待していますそして、ストーリーの駆け足感を補って余りあるのが、2人の歌ソロ8曲(うち1曲はデュエットのソロバージョン)とデュエット3曲(うちオリジナル2曲は2回ずつ聴けます)と、ミニコンサート並の曲数で、オペラ、クラシック、シャンソン、ポップス、日本の歌、クリスマスソング、オリジナルとバラエティに富んでいるので、2人の歌声を十分に堪能できます特に聴きごたえがあるのはデュエットで、SRM(劇中のユニット名)のオリジナル「Invocation」と「Life」は、原作で言う「音楽おたくの超絶ソング」(この台詞は舞台にはなかったけれど)広い音域、複雑なメロディーとハーモニーで、歌うのは難しいと思いますが聴かせてもらう方には至福の時です舞台で一番の見どころだと思ったのは2人の初めてのデュエット最初は、交互に相手より前に出ようとしながらソロを歌っていた2人が、初めて声が重なった瞬間、見つめ合い、驚き、見事な二重唱を聴かせる場面漫画なら、「なに、この感じ?」「初めて一緒に歌ったのに、まるで何年も前から一緒に歌っているような気がする」など、心の声が入るところですが、全く台詞がなくても聖子ちゃん玲奈ちゃんの表情で2人が考えていることが手に取るようにわかりましたストレートプレーの台詞部分よりも、歌いながらの演技が一番印象に残るなんて、2人は根っからのミュージカル女優なんだなあと改めて感じました一条ゆかり原作『プライド』ファンサイト応援中
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