私の人生を変えてくれた恩師
[2011-12-03 02:25:36]
私が高校の入学と同時に新任でやってきたK先生若くてなかなかのイケメンでファンも多かっただけに、あっという間に話題の先生になりました二年生のクラス替えでK先生が初めて受け持つクラスになり、あんたに担任が務まるのか… と今思えば、生意気なことばかり考えてました「俺はGTKだ!」などと張り切るK先生の姿に苛立ちを感じ、反抗ばかりしていたことを思い出します
その頃、私にも初めての彼氏が出来て、親友との関係やアルバイトをするなどとても充実していましたですが数ヵ月後、些細な事で親友との関係が崩れていき、それと同時に彼氏にも振られてしまいましたそれ以来学校に行く度にイジメられるようになり、一人ぼっちで居場所がなく、頼れる人もいなかったので次第に学校をサボるようになりました親には心配をかけたくなかったので、朝は普通に通学して近所のかわらで時間を潰し、昼ごはんを済ませて学校に行くという生活でした
久しぶりに私が登校すると、K先生は怒鳴って怒ることもせず「今日はどこでサボってたんだ?登校してくれただけでも良かった」と待ってましたという表情でした普通は教師ならそこで叱るべきですだけどもその瞬間、私の中で小さな愛情を感じました
一人じゃないかも…と
その後私は、イジメは今だけ!必ず分かりあえる、一人じゃない!と言い聞かせ、毎日通うようになりました後に分かったことですが、私の状況をK先生や親は全て知っていましたそしてアルバイト禁止の学校でしたが、隠れて働いていたこともK先生は知っており、欠席した日には隠れてアルバイト先まで様子を見に来ていたそうです
高校三年生になり、今度は進路という時期になりましたクラス替えがあったものの、引き続きK先生が担任です今までのんびりサボっていたつけが回ってきたように、K先生には「正直、この状態では大学や短大も難しい」と言われてしまいました
周りは次々進路が決まって行く中で、私はまだ自分が何がしたいのかすらわからず、少しでも興味があるものをと思い、ある短大の自己推薦をK先生に相談しましたですが、返ってきた言葉は「無理だと思うがやってみろ」でしたその日からK先生はまるで別人のように厳しい言葉をぶつけてくるなど、私が必死になればなるほど鬼教師になってゆきましたどこまで意地悪なのかと、とことん嫌いにもなったけども、今思えば愛のムチです
数ヵ月後、無事短大に合格することができましたK先生もやっと鬼の御面をとってくれて一緒に喜んでくれました短大くらいで?と思うかも知れませんが、私にとっては大きな壁でした
そして三月になり卒業ですクラスメイトとの絆も深まり、一日一日を大切に過ごしてきました親友とも「卒業したくないね、まだ高校生でおりたいね」なんて話してましたが、卒業式が近付く度に本当に先生やみんなと別れたくないという気持ちが強くなり、泣いてばかりでした
卒業式当日、K先生から「今日は一人一人の名前を噛みしめて呼ぼうと思う君たちは先生の受け持った初めての卒業生何年経っても、何十年経ってもこの名簿は一番から言えるだろう卒業おめでとう!!」とお言葉があり、少し泣いていました
卒業式を終え数日後、親友から思いがけない知らせを聞きました
K先生が高校を去る
思わず涙がこぼれ、なんで私達には一言も話してくれなかったんだろうと、悔しくてなりませんでした地元に帰って高校の教師を続けられるとのことです
急いでクラスメイトに連絡を取り、急遽K先生の卒業式を開くことになったのですが、
先生は大事な生徒だから黙っておきたかったし、ちゃんと見送りたかった、と話してくれました私達としては少し寂しかったけども、先生なりの思いやりなんだと分かり、最期は笑ってお別れをしました
K先生、私ももう28歳になり自分の家庭も持ちました優しくて思いやりのある旦那様に支えられて、今でも色々な壁を乗り越えて頑張ってます時々、先生の事を思い出すと、まだまだ色んな事教えてほしいな、また叱って欲しいな、見守って欲しいな、と思う事もありますが、今はもう一人ではないし何があってもくじけずに頑張れます
高校三年のクラス替えの時に、学校を辞めてしまいそうだったので私を一番に取ってくれたと話していましたが、嬉しかったです本当は生徒にそんな話をしてはならないと思いますが、私を自分のもとで教育しよう、辞めさせてはならないという先生の熱い思いはちゃんと伝わりました
毎日、ニュースを見ていると教師がわいせつで捕まっただの、窃盗だのくだらない事ばかりですが、本来の教師の役目を理解せず、とりあえず…の思いで教師になる人もいる中で、先生と出会えた事、先生の生徒であったことはとても誇りに思います
私はかなり手を焼いた生徒だったとは思いますが、先生からの教えや思いやり、愛情はたっぷり戴きましたそちらでも私と同じように、先生に感謝している生徒さん、卒業生の方は沢山いらっしゃることだと思います
K先生、あの頃はどうもありがとうございました
どうかお体にはお気をつけて、またお会い出来る日を楽しみにしています
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