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『口と足で描いた絵』

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「壁の男」 作:貫井徳郎 読了







↑最近お気に入りの鳥獣戯画コラージュです。





 





なかなかまとまった時間がなくて、読み進められなかった1冊をやっと読了。





出だしがなぜかすっと入ってこなくて、なかなか読み進まず、





中盤に差し掛かるまでに、行ったり来たりしました。





これはミステリーなのか、社会派なのか、なんなのか???





帯がついていない状態で入手したハードカバーだったし、タイトルもカバー絵も抽象的で





ジャンルがわからず読みだしていたので、なかなか進まなかっただけなのですが。





 





いざ読みだしたら止まらなくなりました。うーむ、さすが貫井さん!な作品でしたが、終わりが突然。思わず、2度3度、読み返したりした私です。





 





以下ネタバレを含む感想です。





 





新聞の三面記事にも本当に載っていそうな、とある町の出来事が発端で、ノンフィクションライターが取材を始めるところから始まります。





イメージとしては、東京都下、関東北部あたりの、人口少なめな町でのできごと。そんなこともあるだろうなと納得のいく出だしです。





途中、取材が滞り始めたあたりから、ライターの知る由のない事実を、読者だけが覗き見ることができる展開になっています。





人に歴史あり。誰もの人生は想像を絶するものがあるのだなと考えさせられます。もしかして?と思うことがやはり!!という展開もありますし、え、そういうことだったの?!と驚かされる展開もあり、ぐいぐいと中盤からはページをめくる手がとまりませんでした。





 





小児がんのくだりは、胸がしめつけられます。こういった大病で髪を失った子供たちのウィッグのために、私は今ヘアドネイションを目指して髪を伸ばしているので、いっそう、胸が苦しくなりました。





さらに、真摯に生きる人にどうしてこれほどの試練があるのか、と考えさせられもしました。まっすぐに生きる主人公の人間臭い生きざまに、ただただ、幸あれ、と祈らずにはいられません。



どんな人の言動にも、理由があるのだ。思い込みだけで人を判断したくない。なるほどと思わされた1冊でした。





タイトルとジャケット画と内容がこれほどマッチしない一冊も珍しいと思ったことも、書き添えておきます。どうしちゃったかなー、装丁。

 

 





【口と足で描く芸術家協会】

kumitaroh   2017-10-08 15:48:15 提供:口と足で描く芸術家協会

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口と足で描く芸術家協会

口と足で描く芸術家協会(MFPA-Mouth and Foot Painting Artists)は、
両手の自由を失った人たちが生きる勇気を得ること、
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自身の働きにより一定の収入を得て自立すること、
これらを目指し活動しています。

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