昔、ドラマを見た記憶が蘇って原作も読んでみたいなと思ったのがきっかけです。
とんび (角川文庫)
作者:重松 清
発売日: 2012/10/01
メディア: Kindle版
ドラマは2013年にTBSで放送されました。主演は内野聖陽と佐藤健で2人は親子の役でした。
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登場人物
市川安男:主人公、通称ヤス。高校卒業後、運送会社に就職。その後美佐子と結婚し3年後には長男を授かる。美佐子を事故で亡くしひとりで子どもを育てる。
市川旭:安男・美佐子夫妻の長男。通称アキラ。
あらすじ・感想
先にドラマを見たので俳優さんをイメージしながら読み進めていたということもありますが、2人は本当に役のイメージにぴったりです。不器用だけど優しくて情に厚いヤスさん。素直で真面目な性格ながら頑固な一面もある息子のアキラ。
親子2人で生きていくには、世間は冷たく、時には理不尽さを感じ、悔しさを噛みしめることもあります。しかしヤスさんとアキラのまわりには、彼らを温かく見守ってくれる心優しい人たちがたくさんいます。ただ優しく見守るだけではなく時には厳しく突き放す時も。でも共通することはみんな心からこの親子を応援しているということ。みんなで未熟な父親と幼い息子を助け、そして思春期を経て青年になっていく過程を見守っていくのです。
この作品で私が忘れたくないセリフがあります。この作品の中でヤスさんの父親代わりのような和尚が、アキラの寂しさをどう受け止めてよいか悩むヤスさんに伝えることばです。
「雪は悲しみじゃ。悲しいことが、こげんして次から次に降っとるんじゃ、そげん想像してみい。地面にはどんどん悲しい事がつもっていく。
色も真っ白に変わる。雪が溶けたあとには、地面はぐじゃぐじゃになってしまう。
おまえは地面になったらいけん。海じゃ。なんぼ雪が降っても、それを黙って、知らん顔して吞み込んでいく海にならんといけん」
海になれ。これは父親でなくても子どもがいる人ならみんなズシンと胸にくるんじゃないでしょうか。重松清さんのこの文章があまりにも美しいのでこの言葉の意味を要約するのはやめておきます。ただ感覚でストンと胸に落ちました。
この場面で涙腺崩壊。声を上げて泣き、涙で本を濡らしたは初めてです。この作品はおうちでひとりで読むことをおすすめします。
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こちらもシングルファザーの成長・奮闘記です。
「ステップ」の主人公で父親役の健一はヤスさんとは全くタイプは異なりますが、子どもを想う気持ちは一緒!
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