こんにちは!サンクチュアリ出版のイワタです。
今回は、皆さんの「感動的な誕生日のエピソード」を募集させていただきます。
現在、サンクチュアリ出版と
エイベックス所属のアーティスト『Minx Zone』との間で、
感動的な誕生日エピソードを集めた書籍『忘れられない誕生日』(仮題 年内発売予定)を企画しています。
そこで、あなたが経験した「感動的な誕生日」のエピソードを、
本の中で紹介させていただきたいと思います。
採用された感動エピソードは本に掲載させていただき、
出来上がり次第、Minx Zoneのサイン付きでプレゼントさせていただきます。
ぜひご応募ください!
(エピソードのご応募は、申し込みの際のアンケート画面からお願いします
ご自分が体験したことでなくても、知人から聞いた、見た、などのエピソードをお持ちでしたらぜひ教えてください。)
★Minx Zoneとは★
1999年11月、yukari(Vo)・waio(G)・ayuha(Dr)の3名で大阪にて結成。2002年上京。
精力的にライブ活動をしていく中で「もっとたくさんの人に歌を聴いてほしい!」と思い、
路上ライブを始める。
口コミでじわじわと人気に火がついた今注目のアーティスト。
公式サイト
http://www.minxzone.net/index_pc.html
★応募条件★
※エピソード採用選考の過程で、追加取材をさせていただく可能性がございます。
メール、電話、対面、いずれかの取材に応じていただける方を条件とさせていただきます。
たとえばこんなエピソード・・・・
私の誕生日。
「うちにはお父さんがおらんねんからね!」
私がわがままを言った時、決まってお母さんはこう言った。
そう言われてしまうと私は何も言えなくなってしまう。
私が小学1年生の時お父さんが亡くなって以来、お母さんが一人でどれだけ苦労してきたか、
痛いほどわかってるから。
そんな時私は決まってテレビの上に置いてあるカメラを見た。
お父さんが大切にしていたカメラ。
お父さんがいたら、私はもっと欲しいものが買ってもらえたのかなぁ
私は小学校3年生になっていた。
その日は友達のメグミちゃんの誕生日会だった。
私はプレゼントも買えず、ただ手ぶらでメグミちゃんの家に招待された。
みんなでメグミちゃんにプレゼントを渡す時、私は一人隅っこでもじもじしていた。
メグミちゃんのお母さんが気を遣って「ゆかりちゃんも来てくれてありがとうね。」
と言ってくれた。でもその言葉が余計に胸を締め付けたりした。
「はい、ゆかりちゃん!」
そんなモヤモヤした思いで頭がいっぱいになっていた私に突然メグミちゃんが声をかけてきた。
手には袋詰めにされたお菓子のセットが握られていた。
メグミちゃんは今日来る友達の人数分お菓子の詰め合わせを用意してくれてたのだ。
なんという事だろう、私はプレゼントを渡せなかっただけでなく、
逆にお菓子の詰め合わせをプレゼントされて帰ってきてしまった。
家に帰った私はお母さんの前で泣きじゃくった。
メグミちゃんがくれたお菓子の詰め合わせを抱きかかえたままわんわん泣いた。
その時だけはお母さんは「うちにはお父さんがおらんねんからね!」とは言わなかった。
それから何日か経って、私も誕生日を迎えた。
朝、学校に行く前お母さんが言った。
「ゆかり、今日は誕生日やから友達いっぱい連れておいでや~。」
「え?うん・・・」
正直私は乗り気じゃなかった。
貧乏臭い誕生日会をして恥をかきたくなかったから。
お母さんには「みんな忙しかったみたい」って言おう。
その日は授業が午前中に終った。私は誰にも声をかけずに逃げるように一人家に帰った。
学校から帰ってきて家のドアを開けた時、私は帰る家を間違えたのかと思った。
部屋は飾り付けしてあり、テーブルにはご馳走が並んでいた。
そしてメグミちゃんからもらったのとそっくりなお菓子の詰め合わせもたくさん並べてあった。
壁に貼られた大きな画用紙に色とりどりのペンで「☆HAPPY BIRTH DAY ゆかり☆」
と書いてあった。どうやらここは私の家で間違いないらしい。
奥からお母さんが出てきた。とても優しい顔をしていた。
そして私を見て「アレ?一人??」と言った。
「・・・うん、みんな今日忙しいねんて。」
私は用意していたとっさに言葉を言った。
するとお母さんの顔がもっと優しくなって
「そっか、それなら二人で誕生日会しよっか。」と言ってくれた。
そしてまだ状況が飲み込めていない私の手を引いて椅子に座らせてくれた。
ハンバーグ、タコさんウインナー、カニクリームコロッケ、
私の大好きなご馳走が所狭しと並んでいた。
その時、テレビの上のカメラがなくなっていることに気付いた。
「お母さん!お父さんのカメラは??」
私の誕生日会をするためにお母さんは大事なカメラを質屋さんに入れてお金を作ってくれてたのだ。
「大丈夫、大丈夫、次の給料でちゃんと返してもらえるから。
これはお父さんとお母さんからのプレゼントやで。」
とお母さんは笑いながら言った。
「あ、そうそうケーキもあんねんで!」
とお母さんが冷蔵庫から小さなショートケーキを出してきた。
お母さんが8本のロウソクに火をつけていると、チャイムが鳴った。
手が離せないお母さんの代わりに玄関のドアを開けると、
そこにはメグミちゃんと、もう一人仲良しのアユミちゃんが立っていた。
「あのね、今日ゆかりちゃん誕生日やんね?このお花アユミちゃんと二人で用意したの!あげる!」
メグミちゃんがそう言った。
「え?え?」
私は一瞬何が起きているのか把握できなかった。
すると奥からお母さんの声がした。
「メグミちゃん、アユミちゃん、今からお誕生日会やるから入っておいで。」
アユミちゃんが「あれ?ゆかりちゃん、私らが来ること知ってたん?」と笑いながら言った。
私はその問いには答えられなかった。
涙が次から次へと頬をつたって声を出そうとしてもうまく声にならなかったから。
「メグミちゃん、ありがとう。」「アユミちゃん、ありがとう。」
「お父さん、お母さん、ありがとう。」
私はもらったお花を大事に大事に抱きかかえながら、声にならない声でそう繰り返していた。
結局私はメグミちゃんの誕生日の日と同じようにわんわん泣いた。
でもその涙はあの時と違ってすごく温かくって、すごく優しかった。
後で聞いた話なんだけど、、、
当時のお父さんのカメラは、もう型落ちしてしまっていて
質屋さんの担保になるほどの商品価値がなかったらしい。
私達親子を昔から知る質屋のおじさんが何も言わず気を利かせてくれたのだそうだ。
私の忘れられない誕生日・・・
それはたくさんの人達の思いやりにあふれた何よりも贅沢な1日だった。
(Minx Zone yukariさんのエピソードより)
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