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この世で一番大切な日 / 戸川ゆかり

書籍「この世で一番大切な日」より公式サイト http://www.sanctuarybooks.jp/birthday/
■見知らぬおじさん離婚するとき、私は妻と2つの約束をした。ひとつは年に一度、娘の誕生日だけは会いにきてもいいということ。もうひとつは、そのときに自分が父親であるという事実を娘には明かさないでほしいということ。自分が父親だということを言えない。それは私にとってつらい決まり事ではあったが、娘にとってはそれが最良の選択だあることもわかっている。年に一度、娘の誕生日を一緒に祝えるだけでも感謝しないといけない。それ以来、娘の誕生日にはプレゼントを買い、ふだんは着ないスーツを着て母子に会いにいった。元妻は私のことを「遠い親戚のおじさん」と紹介した。娘も冗談なのかなんなのか私のことを「見知らぬおじさん」と呼んだ。娘が小学校にあがる年のことだ。例年通り私がスーツを着てプレゼントを持って母子のもとを訪れると、元妻から「もう会いに来るのは最後にしてほしい」と言われた。そろそろいろんなことを理解してしまう歳だからと。それが理由だという。私にはわかっていた。新しいことがはじまろうとしているのだ。娘にもやがて一緒に誕生日を祝う同級生ができるだろう。元妻は、再婚を考えているかもしれない。そんなところに "見知らぬおじさん" がいてはいけない。それ以来、母子と会うことはなくなった。だが娘の誕生日だけはどうしても忘れられず、毎年プレゼントだけは贈り続けた。筆箱や本などささやかなものを、差出人の欄になにも書かず送った。それを元妻が娘に渡してくれていたかどうかはわからないが、ただ「娘の誕生日を祝う」という行為だけが小さな楽しみになっていたのだ。それも、娘が中学生になる年にはやめようと決めていた。娘からすれば私は知らないおじさん、こうしてずっとプレゼントが届いても迷惑だろう。娘には新しい未来がある。私も別の道を歩まなければいけない。ただ娘の幸せだけを願い、英語の辞書を送って最後にした。それから一ヵ月ほど経ったある日、私のアパートに郵便物が届いた。差出人の欄にはなにも書かれていない。小さな箱を開けてみると、中から出てきたのは紺色のネクタイピンとメッセージカード。メッセージカードを開くとそこには初めて見る可愛らしい文字が並んでいた。私もお返しをしようと思ったのだけど誕生日がわからなかったので(汗)今日送ることにしました! 気に入るかなあ……見知らぬ子どもより>その瞬間はっとした。その日は、父の日だった。 




この世で一番大切な日


クリエーター情報なし


サンクチュアリ出版



 
「この世で一番大切な日」には31ストーリーが収められています。
どれも心温まるストーリーで誕生日というスペシャルな日を飾るにふさわしい感動がありました。
第一話の「見知らぬおじさん」は絶たれた父子関係で名乗ることを許されない関係であっても、血の繋がりという絆は経たれることはなく、お互いの想いはしっかりとお互いに伝わっていました。父子という関係の絆を感じさせてくれました。
 
「この世で一番大切な日」には31ストーリーが収められています。
どれも心温まるストーリーで誕生日というスペシャルな日を飾るにふさわしい感動がありました。
第一話の「見知らぬおじさん」は絶たれた父子関係で名乗ることを許されない関係であっても、血の繋がりという絆は経たれることはなく、お互いの想いはしっかりとお互いに伝わっていました。父子という関係の絆を感じさせてくれました。
 
この世で一番大切な日=誕生日。
自分自身の誕生日はもちろん、家族の誕生日、友人の誕生日、そして自分を支えてくれるたくさんの人にSPECIAL THANK YOU!の大切な日。
お誕生日はこの世に自分を誕生させてくれた両親へまず感謝。そして、今は毎年誕生日を迎えられるしあわせを感謝し毎年迎えています。
人は一人で生まれてこないし、人は一人で生きているわけではない。と、いうことを改めて思うことができる素敵なストーリーが集められた一冊です。
ひとつになろう日本!身近な人との絆を改めて見直し、繋がりたい。心からそう思う感動の31のストーリ集。心が洗われる綺麗な涙がこぼれます。
大切な方へのプレゼントにおすすめです。
 いつも応援ありがとうございます☆  









      









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Fue(峰子)   2011-06-04 07:54:39 提供:株式会社サンクチュアリ・パブリッシング

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つねにサンクチュアリらしいやり方にこだわり続ける。


BEYOND ALL BORDERS.

ジャンル、職業、カルチャー、世代などすべての壁を越える。



ワクワクすることに対して忠実に。

ぶっ飛んだ目標に向かって。

できるだけ丁寧に近づいていく。


単純に「すごい!」と思う人たちと、

単純に「おもしろい!」と思う本を生み出していく。


そして、本を通じて、世界中の人たちとひとつになる。


そんな出版社でありたい。

すべての読者に愛をこめて。


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