『ハリキリママのおしゃべりコミュ二ティ』
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ねぇ先生。
県内屈指のダメ高校の生徒だった私が、
地方有数の難関私大を受けたいと言った日を、
覚えていますか。
先生は、「無理」とも「大丈夫」とも言わず、
ただ「教えられるだけ教えるから、ついてこい」と、
言っただけでしたね。
家庭教師という立場上、
あからさまに無理とは言えなかったことを加味しても、
先生についていこうと決心するには、
その一言で十分でした。
成績の都合上、ずっと理系クラスにいたため、
文系の生徒が大嫌いな当時の担任の先生には、
英米学科志望の私はいない者扱いをされていました。
かといって、英語の教科主任は、
自分の思い通りにならない生徒が嫌いで、
洗脳し損ねた私を、蹴落とすことに必死でした。
高校の先生は、当てにならないどころか、
敵も同然でした。
みんなが「お前には無理だ」と言う中で、
先生だけは、責任を持って私を見てくれましたね。
そう、「責任を持って」。
文系の進路を取りたいのに理系にいたため、
受験科目は英語、国語、数学でしか取れない状況で、
致命的に足を引っ張っていた数学が、
先生のおかげで、武器になりました。
「教えられるだけ教える」の言葉通りに、
毎週自作の練習問題と勉強のスケジュールを持って、
分かるまで付き合ってくれましたね。
とにかく公式を覚えるのが苦手な私に合わせて、
どんな応用問題も、最低限の公式で、
あとは頭で考えるやり方を教えてくれましたね。
出会った頃の、数学の偏差値は40を切っていたのに、
センター試験本番では、96点を叩き出し、
第一志望だった大学に合格したことを、
今でも誇りに思います。
「やればできる」と口に出すことはなかったけれど、
いつも態度で示して、信じてくれていましたね。
私はその想いに、応えられたでしょうか。
そして入学した大学は、先生の言っていた通りでした。
「偏差値の高い学校に行く、一番の意味は、
高みを目指して頑張れる人間と触れあえること」。
成功するまで努力する人間が集まっていて、
そこで出会った友人達は、少し頑固だったりもするけれど、
卒業しても尚、互いを深く思いやり、刺激し合える仲です。
先生がいなければ、
こんな一生の宝ともいうべき出会いも、
なかったのでしょう。
ねぇ先生。
たった一人、私を信じてくれた先生は、
まるでヒーローみたいでした。
あれからもう7年が経つけれど、
何度でも言います。
本当にありがとう。
のじ 2011-12-13 21:42:06 提供:湘南ゼミナール
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