私が大学一年の時の夏休みのことです。

母はいつも私の事を思って色々な習い事や、進路先などを提案してくれていました。
しかし私はその当時素直になれず、母の勧めてくれることは何一つ実行しませんでした。
そんなある日、突然アメリカでの語学留学を勧められたのです。
夏休みの期間を利用して一カ月間、一人で。

私は最初、全く聞く耳を持ちませんでしたが母の強い勧めで行ってみても良いかな、と思うようになりました。
しかし不安はいっぱいでした。
それまで海外旅行には行ったことはありましたが、一人で行くのは初めて。
英語の成績は良かったものの、会話なんてしたことがありませんした。
しかも、宿泊先は知らない人の家、ホームステイ。
さらに、そこには他の国の子がステイしているというのです。

そんな不安な気持ちを抱えたまま、ついにその日がやってきました。

アメリカの中でも西海岸なので、飛行時間がとても長かったのを覚えています。
しかも国内線での乗り換えが必要だったのです。
その時に早速トラブルが起こり、そこで私ははやくも泣いてしまうのでした。

なんと国際線の到着が遅れたために、国内線が先に出発してしまい飛行機に乗ることが出来なかったのです。

途方にくれました。
飛行機自体あまり乗ったことがなかったので、そんな時にどう対処して良いのか分からなった上に、英語も分からない。
しかも、到着先の空港ではホームステイ先の家族が待っている予定だったのです。

泣いてばかりは居られませんから、まずは空港のアテンダントに事情をなんとか伝え次の便のチケットを抑えてもらいました。
そして、公衆電話の使い方を聞いてホームステイ先の人に電話もしました。

なんでもない事のようですが、その時の私は震えていたのを覚えています。

そんなアメリカ語学留学のスタートでしたが、勿論、帰国するころにはまだ日本に帰りたくないと思っていましたよ。
その後はオーストラリアのワーキングホリデイに2年間行きました。
バックパックでアジアも2年間旅しました。
今では世界中にインターネットでチャットをする友達がいます。

なんでも初めての体験をする時にはしり込みしてしまうものですよね。
初体験はだれでも怖いです。
しかし、親の言うことはいつでも間違っていないのでしょうか。
あの時、母の言う事を聞いて挑戦してみて本当に良かったと思っています。
この経験のお陰で、今の私がいるのでしょう。

ちなみに、新たに抑えてくれた国内線はビジネスクラスでラッキーだったのも今でも覚えています。

学生さんの夏休み、是非日常では出来ないことにもトライして頂きたいです。

かおりんご 　 2012-07-13 21:56:29 提供：湘南ゼミナール