高校３年生の時のこと。定期テストと受験が重なってしまいました。もともと文系が得意な私でしたが、中学生の時から夢見た将来の職業は理系の医療技術者。そこで先生の止めるのも聞かず、無理やり理系に転向していたのです。
しかし一日中苦手教科ばかりの勉強の辛いこと…。中でも一番苦手の物理は、どうやっても頭に入らなくて。ついに「定期テストより将来の夢が優先だ！物理は捨てた！！」と、テスト前なのに物理の勉強は一切せず。定期テストを受け、翌日は地方都市での受験に臨みました。
そして、定期テストが返ってきました。「物理30点」合格ラインに届かないどころか、完全に赤点です。先生に職員室まで呼び出されて、「この点数でやる気があるとは思えない」と厳しいお言葉をもらい、翌日までに問題集を解き、レポートを書いてくるよう言われました。
絶体絶命です。問題集を開いてみても、何が書いてあるのかさえよくわかりません。そこで、物理の授業をとっている友人に頼み込み、おやつをおごるのを報酬にレポートを代わりに書いてもらって書き写して提出しました。友人は先生も一目置くほどの優秀な人。もちろん全問正解です。苦手な物理の問題が完璧に解かれている私のレポートを見て、先生もかなり怪しんでおられましたが、これで何とかお許しを頂きました。
赤点覚悟で臨んだ受験も、結果は「不合格」。踏んだり蹴ったりとはまさにこのことでした。
私は夢をあきらめたかって？結局苦手分野の夢なんか叶わないって？
いいえ。受験の時は夢破れ、志望校には合格できませんでした。でもその後社会人になってもやっぱり夢があきらめきれず、再度受験に挑戦し学校に入り直しました。その時目指していたのとは少し違う資格ですが、国家資格を取ってかつて夢見た職業で働いています。今日もこれから、患者さんが私を待っています！

みかち 　 2012-10-19 06:44:35 提供：湘南ゼミナール