小・中学校とどこと無くピントのボケていた学校生活。

地元に出来た総合高校に行きたいと決まって合格が決まり
「自分の自由」を手に入れた高校時代。

もちろん同級生にも恵まれて
学校生活は大学並みのカリキュラムで充実した毎日を送っていた…

でも…
やっぱり何だか「ピンボケ」「馴染んだ生活」が気に入らなかった。

新学期に何となく立候補した「図書委員長」
これが私の人生を変えた一瞬だった。

図書館の先生は身体が不自由で色眼鏡で見る生徒も何人かいた。
どこと無く柔軟な性格の私。
言い方替えれば従順と言う性格。
人を「見た目」で判断する機能がかね備わっていない私は「他のみんな」の
気持ちは良く分からないほうだった。
あの子は変に「大人ぶっている」なんて思われていたかもしれない。

図書館の先生はとっても映画が好きで
もちろん素敵な本も沢山知っている。
残念なのは「活字嫌い」なのに「図書委員長」になったことを先生に告白した。
先生は笑って「うちの高校には図書館には本だけでなく映画も有るのよ」と言ってくれた。

本が読めない私に先生は
「夏休みに２０本の映画見るなんて目標立ててみたら？」と提案してくれた。
もちろん勉強は落とさないレベルでの提案。

夏休み後の新学期までには２０本の映画を見る目標達成。
放課後図書館で映画の先生と話をすることが毎日楽しかった。
「楽しい」「今を生きている」という実感を知ることが出来た日々だった。

自分を「あなたはこういう人間だからこうなのよ！」と判断せずに
上手くふるいにかけて、最後に残った「個性」を輝きだしてくれた先生。
駄目な自分にも「出来ること」があると言う道をおしえてくれた先生。


卒業の前に先生は移動してしまったが
あの時、あの歳で、あの環境で出会えた「出会い」が
それからの私をずっと支えてくれている。

今、もう一度先生に会えるなら会いたいです。

◎あらた◎ 　 2013-04-22 17:40:42 提供：湘南ゼミナール