現役の校長先生ではなく、元校長先生のお話です。
自分の学生時代を何回も回想してみたのですが、この先生のことしか思い浮かばなかったのでどうか書かせてください。


私の大学は珍しく担任制で、私の担任の先生は元校長先生でした。

前学校の校長を退職され、すぐに私たちの大学の教授になられたその先生は、いかにも

【ＴＨＥ　校長先生】！！！！



マジメ・堅い・ちょっと恐そう………。の、３セット揃っていました。



そのために、ちょっとヤンチャな生徒達は少々苦手で距離を置くこともありましたが、基本マジメな性格な私はその先生が大好きでした。（笑）



口数は多くありませんが、たまに見せる優しい笑顔が素敵でした。
生真面目なのにたまに頑張って、私たちが笑いそうなジョークを言ってみたり…（笑）
そんなところも魅力的な先生でした。



入学後、早々に研修旅行があったのですが、先生は口数が多くないためバスの中で言葉を発することはほとんどありませんでした。

「静かにしなさい」
「ちゃんとガイドさんの話を聞くように」

……そんな程度でした。



なので、私たちは生徒だけで盛り上がっていました。


みんなで歌を歌ったり、ペチャクチャおしゃべりをしたり。


そんな時、急に、

「～～♪～～♪♪～～♪♪～～♪」


ん？？えっ？？

急にメロディーが聞こえてきました。


その音は、ハーモニカでした。


あっ！「ふるさとだ！！！！」


２番に差し掛かると、「ほら、２番歌ってごらん！」との先生の言葉に、


全員で「いかにいます～ちちはは～♪つつがなしや～ともがき～♪♪」
と、先生のハーモニカをバックに全員合唱が始まりました。

手拍子も自然に始まり、バスの中は何ともいえない温かい雰囲気に。
疲れていた研修後のバスも、笑顔で溢れました。



「皆さん、一緒に歌ってくれてありがとう…。これから４年間、共に努力し、頑張りましょう。どうぞよろしくお願いします。」

手を胸にあてて、深くおじぎをする先生。



私は、自然と涙が出ていました。


先生の言葉も、ハーモニカの音楽と共に心の中にスーーーーーーーっと入ってきました。

そして、言葉には出来ないもの、言葉にはないものが伝わってきた感覚を感じました。



こんなに素敵な気持ちの伝え方があるんだ…。と、とても感動したことを未だに覚えていますし、今でも『ふるさと』を口ずさむとあの時の光景が頭の中に浮かび幸せな気持ちになります。


先生からの旋律と言葉は、私にとって最高のサプライズプレゼントでした☆彡


そして先生のように、出会った人たちを幸せに・笑顔に出来るように生きていこう…。

そう思えた出来事でした。

あのメロディは、今もなお私の心の中に流れつづけています…☆彡

うめちょん 　 2013-06-25 23:24:33 提供：湘南ゼミナール