越前と言えば…大岡越前! いやいや、蕎麦好きならば「越前そば」でしょ。てなわけで(どういうわけ?)、食べたかった越前そばが届いたのだった。株式会社越前そば「直営農場 旨味」生なので要冷蔵品。しっかりとした化粧箱に梱包され、とても信頼がおける。どんなに良いものでもこの辺りがおろそかなものは、この段階で食欲減退だ。さっそく茹でる。ところで、この商品。越前そばということだが、同社のプロフィールは「地元・越前と北海道・美瑛の直営農場で育てたそばを中心に全国のみなさまへ越前そばをお届けしています」 とある。このそば「旨味」は美瑛産のそば粉のようだ。美瑛といったらアナタ、旭川市から自分がちょくちょくカメラを持って出かける隣町じゃあ〜りませんか。ちょっと肩透かしな感じも否めないが、美瑛でも地元のそば粉を使ったものを手打ちして食べさせる店があり、それなりに旨いので、それが越前そばの手にかかったらどういうことになるか、楽しみなところである。何より同社の楽天市場サイト内、美瑛での収穫模様のページには感心。アクティブな同社の三代目。こういう情報はとても好感が持てる。どれどれ、それでは凱旋のそばを味見。茹で時間は説明書にぴったり従った。通ぶって、麺だけ何もつけないで食べてみる。なるほど、「旨味」の名の通り、じんわりと風味が伝わってくる。やや太サイズの麺もコシとふくよかさの塩梅が良い。おかげで、自分、太いのはちょっと、というのが実のところなのだが、辛味大根を薬味にしてのザル一枚は、するするっとお腹に収まった。水で薄めるタイプのそばつゆは、それが福井の味なのかどうか、普段自分が食べているそばのツユと大きな違いはなく、無難な味。とにかくは喉越しが良いので、箸が止まらない。家庭で楽しむ取り寄せ品で、ここまでの味わいを出すとはなかなかのものだ(適正な湯量、茹で時間、水洗いしっかりは当然必要だが)。ただ、小分けされた一人前の量。生めんで100gか。乾麺で100gを標準にしている自分には、ちょいと物足りない。いや、どうかな。足りないくらいが美味しいとも言うし。え?大盛りにすればいいじゃないかって? そりゃそうしますけど、そうするとすぐに無くなる。せっかくの6食セットは延べ6回楽しみたいのだ。ちなみに同じものを食べた女子(168cm、細身)も、同感と言っていた。決して二人は大食いの部類じゃないのだが。さて、越前そばと言えばコレでしょ。福井では、越前そばといえば、おろしそばの意味すると聞いたこともあるが…大根おろしの汁は水切りせず、つゆに使ったのだが、無難と思っていたツユが、なんともいい味。これを食べたかったのだ!太いかな〜と、気にかかっていたものも、もう平気。逆に太いからツユの塩気に負けず味わいを発揮するのだなと勝手に解釈。意地悪に何か辛口なことを言ってやろうと思うのだが、材料は見当たらない。よし、そんなに旨い麺ならと…瓦そばの真似事。山口県の郷土料理で、本流は茶そばを使う。ので、真似事。我が家でも時々楽しんでいる。旨味の強い麺ならきっと美味しいはず。普通に茹でた麺を水で締め、油をひいたフライパンで焼く。本流は焼いた瓦の上に麺を盛る、だから瓦そば。その上に甘辛く炒り煮にした牛肉、錦糸卵、海苔を盛り付け、温かいツユで食べる。薬味にはもみじおろしを。こういう扱いをされることを想定していないからか(当然だ)、焼いていると麺のつなぎ成分と思われるものが溶け出し焦げ付きそうな雰囲気。少し焼き色がつく程まで加熱したかったが、その寸前で消化。うむ。食味に優れたそばだ。こうして食べても濃い味の中で「私はそばです」と言っていた。お酒などやりながら、楽しく味わえた。ここに書いておいて何だが、瓦そばの真似事はそばの食べ方としては特殊と思うので、誰にでもおすすめできるというものではないが、これを例に、もっと美味しく楽しい食べ方は沢山ありそうだと思わせるに十分な「旨味」である。思わせるに…って、もう食べきったのでこれでおしまい、という話さ。終越前そばの里ファンサイト応援中
投稿日時:2012/01/26
: 口福論
提供:株式会社越前そば