【モニプラ】森炎『裁く技術』~モニタ…
[2009-12-25 22:41:21][
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裁く技術~無罪判決から死刑まで (小学館101新書)定価:¥ 777出版社:小学館出版日:20091201作者:森 ほのおby amazon通販最速検索 at 2009/12/21
裁く技術
先日、抜粋版の送られてきた森炎氏の著作『裁く技術』
本その物が当選しましたので、子育ての合間にちまちま読んでみました
(完読するまでに大分掛かってしまいました……)
なお、私の法律知識レベルというのは、前にも書きましたが、義務教育レベル止まり一応周りに法曹系の勉強をしていた人がいるので、「わからんかったら六法全書オンライン」くらいのことはできますが、見たところで活用できるかというのはまた別問題、といったところです
……あ、『逆転裁判』は3までやったなあ(笑)
そんな私なので、かなり興味深く読ませていただきました
本書の前半では「裁判用語の基礎知識」が書かれています
裁判員として必要な法律知識はいかほどのものか(いや、意外と少ないんですよ)、といったところから、証拠の扱い方に至るまで、「右も左もわからない」状態を回避できるだけの基礎知識が、わかりやすい具体例と平易な文章で書かれていますどちらかというと「ドラマ等でアバウトにしみ込まされている知識の洗い直し」みたいな側面があるかもしれません
後半に書かれている内容は「量刑の決め方」という内容ですが、むしろ「裁判で飯食ってる人達の思考法」とでも言うのがしっくりくるような、そんな内容です
「以前一人害してるから」「二人同時に害したから」「前科があるから」「仮釈放中だから」等々の場合において、それまで法曹の世界で仕事をしてきた弁護士や検察官、そして裁判官が【暗黙の了解】として判決と量刑を決定していく根拠をいろいろと解説してあります非法曹関係者からすれば「これはかなり悪質なのでは?」「これは叙情酌量があっていいのでは?」と思うような事例が、予想に反して軽い判決になったり、逆に重い結果になることもあったりして、その考えのギャップを埋める目的で書かれているような部分もあるのでしょう
とはいえ、元々の法曹関係者が行ってきた思考法におもねる事なく、自分の考えを率直に出していく心構えを持つのが「市民により近い裁判」を目指す裁判員制度の目的の一つではあると思うのですけれどね
ただ「量刑について意見の食い違いが出た場合、そうやって意見集約を行っていくか」や「冤罪になってしまった場合に責任は問われるか」といったような「裁判の作法」から、「裁判員に選ばれたらその日の午後から即審議だから、昼食は準備しておくべき(ちなみに裁判所には食堂ないよ)」とか「審議に参加したが、精神的にこれ以上参加するに堪えない場合はどうするか」等、実際に自分が裁判所に呼ばれてみないとわからないような小ネタもフォローしてあるので、そういう点では「裁判員入門書」としての価値は十分にあるでしょう
ただでさえ気持ちの上での覚悟を必要とされる裁判員、与えられた案件にまっすぐ取り組むためにも、知識不足からくる裁判その物以外の余計な不安は、あらかじめ除いておくにこしたことはないかと思われます
※本記事はモニプラよりリリースされた情報を元に記載を行っております
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