誕生日
[2011-04-28 22:46:35][
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書籍「この世で一番大切な日」完成版!!さらに図書券2000円分をプレゼント! ←参加中のイベントを見つけました早速応募しました↓に本を紹介しています〓ちょっと読んだだけでも心が暖かくなりますちょっと目がウルウルしてきます=======================================================書籍「この世で一番大切な日」より公式サイト http//wwwsanctuarybooksjp/birthday/■見知らぬおじさん離婚するとき、私は妻と2つの約束をしたひとつは年に一度、娘の誕生日だけは会いにきてもいいということもうひとつは、そのときに自分が父親であるという事実を娘には明かさないでほしいということ自分が父親だということを言えないそれは私にとってつらい決まり事ではあったが、娘にとってはそれが最良の選択だあることもわかっている年に一度、娘の誕生日を一緒に祝えるだけでも感謝しないといけないそれ以来、娘の誕生日にはプレゼントを買い、ふだんは着ないスーツを着て母子に会いにいった元妻は私のことを「遠い親戚のおじさん」と紹介した娘も冗談なのかなんなのか私のことを「見知らぬおじさん」と呼んだ娘が小学校にあがる年のことだ例年通り私がスーツを着てプレゼントを持って母子のもとを訪れると、元妻から「もう会いに来るのは最後にしてほしい」と言われたそろそろいろんなことを理解してしまう歳だからとそれが理由だという私にはわかっていた新しいことがはじまろうとしているのだ娘にもやがて一緒に誕生日を祝う同級生ができるだろう元妻は、再婚を考えているかもしれないそんなところに "見知らぬおじさん" がいてはいけないそれ以来、母子と会うことはなくなっただが娘の誕生日だけはどうしても忘れられず、毎年プレゼントだけは贈り続けた筆箱や本などささやかなものを、差出人の欄になにも書かず送ったそれを元妻が娘に渡してくれていたかどうかはわからないが、ただ「娘の誕生日を祝う」という行為だけが小さな楽しみになっていたのだそれも、娘が中学生になる年にはやめようと決めていた娘からすれば私は知らないおじさん、こうしてずっとプレゼントが届いても迷惑だろう娘には新しい未来がある私も別の道を歩まなければいけないただ娘の幸せだけを願い、英語の辞書を送って最後にしたそれから一ヵ月ほど経ったある日、私のアパートに郵便物が届いた差出人の欄にはなにも書かれていない小さな箱を開けてみると、中から出てきたのは紺色のネクタイピンとメッセージカードメッセージカードを開くとそこには初めて見る可愛らしい文字が並んでいたその瞬間はっとしたその日は、父の日だった=======================================================
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