デリーは英連邦の競技会コモンウェルスゲームズ（ＣＷＧ）が開かれている。ジャージー姿の関係者が、信号のない道路を牛に交じって横切ろうとする。テレビの地元局はもちろん、ＢＢＣも連日トップ級で取り上げる。各国別の金メダル数がずっと画面のはしっこに映っている。豪州の独走だがインドも２位と頑張っている。知らなかった…。五輪並みの扱いなのね。 インド駐在が通算８年になるテルさんに甘えた。南米やアジアでの社長経験を武器にメーカーを渡り歩き、現地法人３社目のトップとして舞い戻ったばかりだった。「いったいどういうことですか」。驚きながらもやさしかった。「いつでもどうぞ」。大荷物とともに２０階の部屋に転がり込む。 　手製のオックステールスープでもてなされる。インドネシア駐在中に覚えたと言う。３時間もかけて煮込む自慢の品だった。ほろほろほどけるやわらかさ。さじで一口、スープをよそう。ホッとした。 　歓迎会も開いてくれた。ブータン旅の友スギサマ、商社マンのエツヤン、初対面のフミエさんがやってきた。メーンはテルさん得意のステーキだった。旅行でやってきた昨夏、ふるまってくれたのを思い出す。まさか１年後、住むことになるなんて。点々と浮かぶグルガオンの夜景を背に、ベランダのバーキューコンロに火がともる。「イカ釣り漁船みたい」。フミエさんは言った。漁火のような明かりの一粒ずつに、どんな暮らしが宿っているんだろう。焼き網に炎が立つ。相変わらず豪快でジューシーで、付け合わせのジャガイモによくあった。 　アパート難民になった話をする。フミエさんの滞在するゲストハウスはフランス人経営で、とても気に入っているという。「来てすぐ、あぁ落ち着くーって思ったんですよ」。へぇ、見てみたい。週末に押しかけることにした。 　デリー市内の静かな住宅街を迷ってたどり着いた。長い丈の青い民族服を着た若いインド人スタッフが迎えてくれた。隠れ家みたい。ドアを開ける。ともに４０代のピオとフランソワが迎えてくれた。ボンソワー（こんばんは）。あぁフランスだ。ほどよい明るさの照明が心地いい。白い壁にインドのモノクロ写真がすっきり並ぶ。おしゃれ過ぎず、あたたかみがある。古いテーブルも椅子もさりげなくて趣味がいい。ハァー、和むなぁ。ため息を吐く。フミエさんの言葉、分かるなぁ。 　フランソワ、フミエさんと席に着く。メディアの仕事をしていたフランソワはインドに住んで６年という。元パイロットのピオと共同で１年前、宿を始めた。食事も出すので在デリーのフランス人ら外国人の集まる場になっている。いまはＣＷＧ関係者も多く、３つあるテーブルすべてが埋まっていた。 　白ワインで乾杯する。前菜は野菜の塩味ケーキだった。ほんのりあたたかく、あっさりしている。仏西部ブルターニュ地方にある島イル・ド・レ名産の塩がこだわりを感じさせた。メーンは魚に野菜が巻かれている。さすがフランス人、おしゃれだな。付け合わせのバターライスがよくあった。スパイスざんまいの胃には心地いい。デザートにはやわらかいガトー・ショコラだった。コクがあってほろ苦い。どうやって材料を手に入れたんだろう。 　試作を重ねているマドレーヌもいただいた。「小麦粉は１種類しかないから、お菓子作りには苦労するよ」。フランソワは笑った。明日は我が身だな…。一口ほおばる。しっとりしていて上出来ではないかしら。またコーヒーがとびきりだった。少しずつ欠けていく黄色の貝殻をカップに浸す。琥珀色に染まったところに口を運ぶ。また別のおいしさだな。 　彼らの計画も素敵だった。タージマールのある街アグラにもゲストハウスを作りたいという。観光地だが超高級ホテルか安宿しかない。お手ごろで快適で味のある宿が作れたら…。インド独自のマドレーヌも作りたい。チャイ味にシナモン味、クミン味、カルダモン味…。いくらでもできそう。「２８州ごとに作ったら」。フミエさんが提案する。ケララ州ならココナッツ味、アッサムなら紅茶味なんてどうだろう。 　ゾクゾクした。ヒントを見つけたような気分になった。母国をコテコテに強調したり気取ったりせず、インドのものもいかして「自分らしさ」を出せたら…。盛り上がった。 　日付が変わるころゲストハウスを出た。デリーとグルガオンの境界で検問に引っかかった。車を止められる。カーキ色の制服を着た警察官が窓から顔を突っ込んできた。目が充血している。話しかけられたがヒンディー語は分からない。運転手によると「ナンバープレートのサイズが小さい」と言われたらしい。何じゃそりゃー。「警官は酒を飲んでいたよ。ひどいね」。サウジアラビアで１年、働いたことがある彼はつぶやいた。そうだねぇ、まったく。でもだからこそ、インドには大きな未来がある。アタックしがいがある。 ----------------------------〓就寝前のリラックス方法について。〓何か実践していること、これから実践してみたいことなど。リラックス方法、本当は照明を落としゆったりと温かい飲み物でも飲んで、ほっこりして眠りに入りたいのですが、授乳中なのでそうできず。深夜も何度も起き授乳しています。そして主人のいびきで何度も目が覚め、主人の早朝目覚まし....こちらは一時間スヌーズ鳴らしっぱなし。子供すら起きちゃいます。よって今の所は実践したいことだけで、実践し難いんですね。沖縄発の快眠ドリンク ギャバミンDX モニター募集　←参加中

miu 　 2010-10-12 17:02:57 提供：ソムノクエスト株式会社