美味しいものって、ホントは食べたいのだけど、健康の為に我慢することって多いじゃないですか。
塩昆布や明太子もそのひとつでした。

天然酵母で塩昆布を発酵させた舞昆に、明太子を佃煮にして発酵食品の塩昆布に炊き上げたのが
株式会社こうはら本店養宜館＜ようぎかん＞なのです。

こちらのおコブ、ご飯と食べたら舞い踊るので「舞昆」というとか。
はなまるマーケット（2009/03/09放送）のはなまるカフェのゲスト・萬田久子さんのおめざで
紹介されており、ご飯と食べたりスープにして飲んだりと３０年来のこうはらファンで、
今でも東京から取り寄せているとか。

大釜に料亭で使われる函館の高級ダシ昆布にドンコしい茸と甘口まい茸を入れて醤油をヒタヒタにし、
とろ火でコトコト煮詰める。醤油の甘い香りが漂うと腹がクューッと鳴りそうになる。
大きなシャモジでゆっくりかき混ぜながらリンゴやパイナップルを調味料の代わりに使い、
片時も目を離さず絶妙な火加減で焦げないよう、ただかき混ぜる。
こうして昆布の繊維質のふやけた隙間から旨味のダシが染み込みと、ふっくらした濃厚な塩昆布が炊き上がるのだ。

濃厚でありながらあまりに「旨すぎる」その美味しさは、当然ながら農林水産大臣賞を受賞（平成６年）している。

昆布や椎茸の旨みには、血圧にもいい健康成分もたっぷり含まれているのだが、あるとき馴染みのお客が、
「体重が気になっておコブを食べるのを我慢しているの、痩せるおコブなら食べたいのだけど・・・・」
といわれ若旦那はショックを受けた。「美味しすぎる塩昆布」というのは「ごはんを食べ過ぎてしまう」のだ。

北海道の秋、昆布は海底で発酵分解され稚貝の餌になっている。
それをひとが食べると血中脂肪が減少することがわかり「塩昆布の発酵」が思い浮かんだ。

大阪府立大学で共同研究のうえ開発された「舞昆」は、実は大阪府が研究開発費を投じたという。
本年３月「橋下知事賞」を受賞したのも偶然ではない。

発酵原料に血糖の上昇を抑制するよう昆布海藻以外に菊芋や桑葉、それに玄米や果物を加えたことで
水溶性食物繊維のイヌリンやアスタキサンチン、ビタミンPなどの健康成分が含まれる塩昆布の発酵食品が誕生した。

舞昆の種類はたくさんあるが、代表作の「黒舞昆」に使われている原料のまい茸は赤城山のふもとで
舞昆のために特別に交配され栽培されている特別種。甘みが多くモチモチしている「黒まい茸」という品種だとか。

この代表作の黒舞昆をコトコト煮込んでいるときに、若旦那が福岡の出張からお土産として買ってきた明太子を
釜にぶちまけて生まれたのが醤油の芳ばしい風味豊かな「明太子舞昆」なのだ。

明太子を佃煮にすると生臭みも消え、しかも発酵食品なのでコレステロールも気にならないという。
いままで明太子の佃煮が無かったのか不思議なほど、ごはんに合う。

年頃の娘にこの明太子舞昆を初めて食べさせてみると、白ご飯を食べるのに夢中になって気がついたら
茶碗が空っぽで、おかずだけが余っている、それでついついおかわりしてしまうのだ。


明太子が発酵食品で良かったでしょ。